対象分野
売上拡大
事業者
事業者名
小沼製餡 株式会社
事業者プロフィール
- 代表者名 古川祐子
- 餡子、和菓子製造
- 従業員数 23名
- 所在地 静岡県静岡市駿河区南町4番26号
- 製餡業発祥の地と言われる静岡で昭和3年に創業し、餡づくりを営むこと90年余り。先人より受け継いだ伝統・技術を守りながら、水や小豆など原材料にこだわり次の時代のニーズに合わせた商品作りに挑戦を続けている。近年では資源の有効活用などSDGsに向けた事業にも積極的に取り組んでいる
相談内容・きっかけ
- 製餡業者として餡づくりを長年続ける中で、大量に発生する小豆の薄皮などの豆廃棄物処理が課題であった
- 処理費用の圧縮に加え、アントシアニンや食物繊維など栄養素が豊富に含まれる豆廃棄物の活用方法も検討を進めてきたがアイデアに窮し、外部のアイデアに頼るため静岡県よろず支援拠点に相談した
支援概要
支援担当者
山堀コーディネーター
連携支援機関名(又はよろずを知ったきっかけ)
同業者など知人の紹介
課題
ヒアリングによる課題の整理
- 製餡工程で発生する豆廃棄物(小豆+白豆+他)の状況を確認
- 排出量は年間で約36トン
- 水を含んだ状態なので再活用するのであれば腐敗が進行しない距離にある事業者との連携が望ましい
- 事業者が注力するSDGsに関連した取り組みに繋がることを意識することを確認
課題解決の提案・アドバイス
- 豆廃棄物は月に約3トンと大量に発生することから定期的に活用される分野を検討
- 化粧品や栄養食品の原料としての活用も考えたが開発や販売に関する課題が予想された
- 飼料としての活用を検討していたところ、同時期に相談に来ていた食用コオロギ養殖事業者㈱オールコセイの課題がコオロギ用のエサの調達であったため両社をマッチング
- 小豆廃棄物を食用昆虫養殖のための飼料として活用するアイデアを検証していくこととした
取組内容と成果
- 少量の豆廃棄物サンプルを用意し、コオロギが問題なく食べるかを実験
- 検証の結果、豆廃棄物がコオロギのエサとして適切であることが判明し、両社の取引が始まった
- 小沼製餡㈱が排出する小豆廃棄物の内、600㎏を無償提供することで、それまで年間約30万円かかっていた廃棄処理コストを5%削減することが可能となった
- 自社のSDGs達成に向けたアクションプランを具体化する結果にも繋がった
事業者の声
長年の懸案が、部分的だが解決できて安堵している。当社が SDGs に取り組んでいる姿勢を社内外にアピールする事が出来たと感じている。
しかし、この取組みはまだ端緒についたばかり。今後も肥料など様々な利用方法を確立して廃棄量を大幅に削減していきたい。
コーディネーターの声
従来は廃棄コストがかかっていた小豆の薄皮などを、餡づくりの際に生まれる副産物として捉え、活用する道を探した。
その結果、今後拡大が予想される国産食用昆虫養殖事業での用途が定まったことは、SDGs達成に向けたモデルプランとなった。
事業者のビジネス
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